税理士法人 森川会計事務所
コラム
    歯科の開業は難しい?
    「これから歯科の開業は難しいですか?」
    以前、歯学部の学生にこんな質問をされました。
    聞けば大学の教授から「歯科の開業は大変だ」「今は開業しても儲からない」と言われているそうです。
    そんな話を聞いている内に「将来、開業してもいいのだろうか?」と疑問を持ち始めたそうです。
    確かに30年前と比べると儲からなくなりました。
    私の子供の頃の歯医者さんは、患者さんで待合室はいつも一杯でした。
    どこで開業しても稼げた時代です。
    でもそれは歯科だけの話でしょうか。
    一般の業種で、長く商売をしている方に聞くと、「昔はとても儲かった」としきりに言われます。昔はよくて今はダメになったというのは、どの業種にもいえます。ある意味、日本経済全体がそうだったのではないでしょうか。
    30年前は日本という国が高度成長の波に乗って伸びていったのです。
    誰が独立してもみんなが稼げた、そんな時代だったのです。
    今と比べて嘆いても仕方がありません。
     逆に「儲からないから開業しない」という方にお聞きします。
    「勤務を続けた方が、よりよい人生になりますか?」
    30代は問題ないと思います。働き口は沢山あります。勤め先がイヤになっても、違う医院にいけばいいのですから。でも50歳になった時を考えて下さい。
    院長と喧嘩して辞めることになれば、次の働き先はあるでしょうか?
    私は厳しいと思います。雇う方も若い先生なら欲しいですが、自分より年上は採用したくありません。例え職場が見つかっても、給与などの待遇は大幅に落ちてしまいます。
    「そんな状況になってから開業すればいい」という方もいます。
    しかし50歳まで勤務医の人生を送って、それから開業するのは大変です。
    今までの生き方を変えるのは、並大抵ではありません。

    ズルズルと勤務を続けて、気がつけば開業せざるを得ない状況になるのであれば、「あと○年で開業する」と決めて勤務した方がいいと思います。
    歳を取れば、転職も開業も自分の意志で決められなくなります。
    若いうちに自分の人生をコントロールすることが大切です。
    私は開業する先生に「きちんと開業すれば年収1,500万円になります」と言っています。そして頑張れば2000万円以上稼ぐことも十分可能な業種です。
    この金額を多いと見るか少ないと見るかは人によって違いますが、私はいい金額だと思います。
    ちなみに一般業種で独立する人は、どれくらい継続できるかご存じでしょうか?
    独立しても10年経てばほとんど残ってないのが一般的です。1、2割残ればいい方ではないでしょうか?
    私の事務所で見ても、開業当時に10件あった顧問先で今も続いているのは2件だけです。
    普通の商売で独立開業というのはこういう事です。よほどの販売ルートや商品力、その社長の能力がないと継続できないのが現実です。年収も1,000万円あれば上出来といえます。
    それに対して歯科医院は開業して10年経っても9割以上が残っています。
    一般業種と比べてとても恵まれた職種なのです。
     私は歯科医師というのはとても素晴らしい仕事だと思います。
    「歯科医師です」と名乗ることに躊躇する人はいるでしょうか?まずいないでしょう。それだけ社会的地位も高く尊敬される職業です。
    開業すれば1500万円を稼げて、社会的地位も高く、他の業種から参入できない、歯科はまだまだ素晴らしいビジネスです。
    何も考えずに開業して、稼げた時代は終わりました。
    事前にきちんと調べて流行るポイントを押さえれば、間違いなく成功します。
    このコラムではこうした開業に成功するコツを教えていきたいと思います。
    開業に成功しやすい人
    開業の相談をしていると「この人は成功しそうだなあ」と感じる人がいます。実際に開業してみると、予想通り早くに成功しています。
    そうした開業に成功しやすいタイプを説明します。 ・笑顔の人 いつも笑顔を絶やさない人がいます。最初の挨拶から愛想がよく、話の節々で笑顔が見られます。そんな方は得てして成功しています。
    「患者さんには笑顔で接する」当たり前の話ですが、実践するのは大変です。一瞬の笑顔は誰でもできますが、常に笑顔で応対するのは難しいのです。ちょっと気を抜くと無愛想になりがちです。
    誰に対しても常に笑顔で接する習慣を身につけている人は、患者さんにも笑顔の応対ができます。すると患者さんからのイメージもよく、「あの先生はいい人だ」という印象をもたれます。 ・共感する人 開業の話をしていても、共感する言葉を出せる人です。「そうですね」や「なるほど」など、会話に対する相づちが上手です。そして最後に「今日は話を聞けてよかったです」と感謝の言葉を伝えてくれます。
    こうした会話を心がけている人は、診療中の患者さんにも表れます。
    「大丈夫ですか」「それは痛かったですよね」など、何気ない会話にも患者さんに共感する話し方ができます。その方が患者さんも「この人はわかってくれる」と感じるのです。
    こうした何気ない会話の中に、成功しやすい傾向が表れるのです。
    ただ、こうしたことを自然にできる人はごく一部です。本来は愛想の悪い人の方が多いのです。そんな人も開業してから、接遇について考えます。ぶっきらぼうのままだと、患者さんの評判が悪いですし、クレームが多くなります。これではいけないと思って、始めて接遇について考えます。笑顔もきちんとできるようにしたり、話し方の研究もします。そうでないと患者さんの支持が得られないからです。
    そうした努力の結果、少しずつ笑顔が増えて話し方も上手になります。
    開業に成功する近道はこうした接遇をよくすることです。
    愛想のいい悪いは、元々の気質があると思います。ただ愛想の悪い人も、接遇よくする練習をすると大幅によくなります。
    本来の気質は変わりませんが、対外的な性格は変わるのです。
    現在、勤務している方は、今の勤務先が格好の練習の場になります。開業前に挨拶や笑顔、話し方を意識するだけて接遇はよくなります。
    これから開業を考えている方は、1年後の開業をイメージして、笑顔の練習をしてはいかがでしょうか?
    開業に成功しやすい年齢
    先生はいくつで開業する予定ですか?
    早くは20代で医院を始める方もいれば、40代後半になってから開業する先生もいます。どの時期に開業するかで、先生の人生は大きく変わります。
    開業を考えても、実際に決断するまで躊躇する期間があります。
    「勤務して5年になりますが、もう少し経験を積んで開業します」「開業したいのですが、景気が悪いのでもう少し回復してからにします」
    こうして開業が先延ばしになる方もいます。
    私はこうした方にも「開業はなるべく早い方がいい」と話しています。
    勤務の経験が4、5年あれば、開業するには十分だと思います。
    それは若い時の開業の方が成功しやすいからです。

    開業を立ち上げから見ていると、若く開業した先生の方が早く軌道にのる傾向があります。逆に苦戦している医院は、年齢が経ってから開業した比率が高いのです。
    これには次の理由があります。 ・集客力がある 見た目が若い方が集客力があります。一般のお店で若いスタッフが多いのは、お客さんからのイメージがいいからです。自分で医院を開業しても間違いなく若いスタッフを採用します。老舗ホテルの年配のドアマンがいいのは、顧客との人間関係の蓄積があるからです。新しくオープンした時は、その蓄積がないので若い人の方が集客力があります。 ・気力がある 自分が10代の頃を思い出すと、若い頃の方がテンションが高かった気がしませんか?それは年を取っても同じで、20代と40代を比べると明らかに20代の方が活気があります。人間は若い時の方が気力・体力があるので、その時期に開業した方が頑張れます。
    患者さんからも「この先生は熱心だな」と感じてもらえます。 ・失うものがない 逆に年を取ると今まで築いてきたものを失う怖さがあります。「開業しても今の年収を維持できるか?」「失敗したらどうしよう」そんな思いが過るのです。失敗すると今までの生活を失うリスクがあります。
    そんな思いから開業が先延ばしになったりします。
    開業時に「なるべく少ないお金で開業したい」という方もいます。返済が終わる年齢を考えて借金を増やしたくないのですが、あまり見劣りする医院だと集客力が落ちてしまいます。
    若い時に開業すると、まだ何も築いていないので失うものがありません。収入も良くなると期待の方が高いです。気合いを入れて頑張れて、借金を背負っても前向きです。

    治療の技術は間違いなく年齢を重ねた方がありますが、患者さんには伝わりにくいです。評判は診療を受けた患者さんの口コミで判断されます。
    「やさしい」「笑顔がいい」といった項目が判断の中心になり、治療そのものが評判になるには時間がかかります。
    年齢と共に技術を積み重ねるよりも、テンションや気合いが落ちるマイナスの方が大きいのです。
    こうした理由で早くに開業することを奨めています。
    もし年齢が経ってから開業する方は、昔の気持ちを思い出して「自分は開業医としては初心者だ」という意識で挑めばいいと思います。
    開業に躊躇している方は、ぜひ早めに開業して早く成功を勝ち取ってください。
    どのエリアで開業するのか
    これから開業場所を探す方とって、どのエリアで開業するかはとても大切なテーマです。
    開業するエリアによって患者さんの数に大きく差がでるからです。
    また保険診療を中心にするか自由診療に力を入れるかによっても、開業場所を考える必要があります。そして開業場所から通勤することになるので、現在の住まいを引っ越しすることも含めて開業場所を考えます。
     「理想の開業場所はどこですか?」と聞くと、圧倒的に都会のエリアになります。
    東京でいうと銀座や青山などのブランドショップが建ち並ぶエリアや新宿や渋谷などのビッグターミナルがある駅。
    そして吉祥寺や自由が丘など「住みたい街ランキング」に登場するような街です。
    やはり格好いい街で開業して成功したいという希望が多くなります。
    オシャレな街で開業するのはイメージもいいですし、本音をいえばこういった場所で開業したいと思います。
     ただ、「成功しやすいか?」と聞かれると話は変わってきます。
    開業したいエリアと成功しやすいエリアは違うのです。
    私が開業にお勧めしているのは郊外のエリアです。
    東京の都心から30分から1時間ほど郊外に行くエリアです。そして東京よりは千葉・埼玉・神奈川のエリアの方をお勧めします。
    これは東京圏だけに限らず、日本各地の都市でも同じことがいえます。
    大阪や福岡のようなエリアでも都市部よりも郊外にずれた方が開業に向いています。
    さらに人口の集中している大阪や福岡よりも、和歌山や大分のような地方の方が成功しやすいのです。
     こういうと「地方の方が人口が少ないのではないか?」「田舎だと人がいないのでは?」と言われる方もいます。
    確かに地方の方が人口は少なくなります。
    これに対し私は「一歯科医院あたりの人口」は地方の方が有利だと説明しています。
     これは「1つの歯科医院に対して、人口が何人いるか?」という数字です。
    日本の人口は約1億2,800万人(平成22年 総務省)に対して、歯科医院の数は約68,000医院(平成19年 総務省)あります。
    人口を医院数で割ると、1つの歯科医院に対して約1,900人の人口がいるということです。
    この数字を基準に考えると、千葉、埼玉、神奈川は平均の1,900人前後の人数に収まっているのに対し、東京の平均は1,200人ほどになります。つまり東京は人口も多いのですが医院の数も多いので、1医院あたりの来院数は少ないのです。
    そして市区町村を細かく見てみると、都市の中心部は人口が少なく、郊外のエリアに行くほど平均の1,900人を超えた数字になっています。
    これは住民票のある人口のデータなので、通勤でオフィスで働く人を加味すると一概にいえないのですが、都心の方が不利なのは明らかです。
    都内も中心部は平均を大きく下回り1,000人以下になります。かなり遠くに行っても平均に届きません。
    一方、千葉、埼玉、神奈川では中心部以外は1,900人を超えるエリアが数多くあります。
    地方都市だとさらに顕著で1,900人を超えたエリアが一般的になります。技術はあっても新鮮な気持ちが落ちていく方がデメリットになります
     この数値を説明すると、例えば千葉で1日20人が来院する歯科医院があるとします。同じ人が東京で似た条件のエリアで開業しても、1日12人しか来ないことを表します。
    それだけ都市部は競争が激しいのです。そのため郊外で開業することを基本に考えます。
     もちろん都会で開業してはいけない訳ではありません。都会で開業したい方は、人口が少ないことを十分理解した上で、集客力のある医院を作る戦略を立てることが大切です。
    都会のメリットは交通の便がいいことです。そのため遠方から患者さんを集められます。特徴のある医院を作ることができれば、沢山の患者さんが遠くからでも来てくれます。そうした特性を理解して開業するエリアを決めることが大切です。
    スタッフはどこへ消えた?
    以前、「チーズはどこへ消えた?」(スペンサー・ジョンソン著)という本がベストセラーになりました。
    大量のチーズを見つけたネズミたち。最初は大喜びですが、段々とその生活に慣れていきます。しばらくしたある日、あるはずのチーズが、とつぜん消えて大あわてになります。
    最近の歯科医院の悩み事は求人です。
    「求人をかけても全然こない」どの医院に行ってもこういわれます。これまでは「衛生士はこないけど、助手ならすぐ来る」といってましたが、今はその助手の採用もままなりません。
    まさに「スタッフはどこへ消えた?」
    理由としては少子高齢化の影響があります。10年前と比べると、20代の人口が2割ほど減っています。
    そしてアベノミクスの影響でしょうか。上場企業では景気のいい話が聞こえてきます。求人は大きな企業に集まる傾向です。そうした企業に人は流れて、小さな企業にはほとんど回りません。
    歯科の求人も、メーカーやディーラーなど規模の大きな会社に集まります。次に総合病院や分院展開をしている大きな歯科医院です。個人の医院に応募するのは、その後になります。そのため、今の超売り手市場だと、どうしても希望の人材が見つからないのです。
    昔から景気がよくなると求人が悪くなり、逆に景気が悪いと求人がよくなりました。
    「いつか景気が悪くなれば、求人が楽になるかも」という考えでは、ひたすらチーズを待つネズミと同じです。求人が悪い今の時代には、違うやり方を考えます。
    日曜診療をしている医院は、これを機会に変更してみてはどうでしょうか。
    患者さんにとっても、日曜診療はありがたいのですが、スタッフにとってはいい条件とはいえません。求職活動をしている人は、複数の医院で面接を受けています。採用される人は、他の医院でも採用されやすい。そのため日曜診療をしている医院は、条件がわるくなり、辞退されることが多いのです。
    上場大手の飲食チェーンでさえも、スタッフが確保できない理由で、深夜営業を辞めたことがありました。日曜診療を見直すことも考えてみます。
    40代や50代のスタッフの採用を検討します。採用年齢も今までは20代が多かったと思います。しかし超高齢化社会は、そこまできています。患者さんがお年寄りばかりになるのも、あたりまえになります。
    昔はマクドナルドやファミリーレストランも、若いスタッフが基本でした。それがいつの間にか、主婦や年配のスタッフが主流になりました。歯科も高齢のスタッフが当然の時代になる可能性があります。
    また現在のスタッフが少しでも長く働ける環境を整えていきます。結婚して出産しても、戻ってきやすい制度や、パートでも働きやすい時間に調整します。
    福利厚生で社員旅行もいいのですが、主婦の方が参加しやすいよう、ランチ会にしたり、子供も連れていける日帰り旅行にしたりと、イベントの内容も変えていきます。
    こうして少しでもいいスタッフを確保して、長く働いてもらえるようにするのが、院長の仕事です。時代の変化に対し、経営をどうかじ取りしていくのが、力量が問われるところです。あの小説の「チーズ」は成功の比喩でしたが、「スタッフ」に置き換えて、再び読んでみてはどうでしょう。ヒントが見つかるかも知れません。
    ふるさと納税の拡充
    このところ、ふるさと納税が知れ渡るようになりましたが、今年はさらに充実してます。牛肉やハムは以前からの定番。米や野菜、季節の果物や魚介類なども豊富です。今年はさらにパラグライダー体験や収穫ツアーなどの、体験型も加わりました。またパソコンや電動自転車などもあり、人気のある商品は1日で終了するほど。
    今年の目玉は何といっても、ふるさと納税の上限額が引き上げられたことです。これで寄付できる額が大幅に上がりました。
    6月前後に住民税の納付書が送られてきますが、この住民税の額の20%がふるさと納税の上限になります。ただし、これはあくまで住民税だけの金額。実際は所得税の控除もあるので、本当の金額はもっと上がります。
    所得が高い方が上限も高く、課税総所得金額が2000万円(所得控除後の金額)の場合は、住民税が200万円になります。この時は所得税も最高税率になり、ふるさと納税の上限は80万円ほどです。つまり最高税率の方は、住民税の40%が目安になります。
    80万円のふるさと納税だと、1万円の寄付が80件できます。かなりの数で、さながら「ふるさと納税生活」を満喫できます。
    この時1度に全部寄付すると、特産品が集中しすぎて大変です。1ヶ月に10件程度にとどめて分散します。
    今年は確定申告が終わると、ふるさと納税の上限を聞いてくるお客様が増えました。
    そのため、訪問時には個々の所得から上限を説明して回ったほどです。
    失敗しないふるさと納税のポイントは、上限まで目一杯、寄付をしないことです。今年度のふるさと納税は、平成27年の所得を元に計算します。つまり今年の所得はまだわからないのです。上限を寄付して所得が下がれば、無駄な寄付がでます。上限から少し下げた金額を目安にします。
    ふるさと納税は、たくさん税金を納めた人に対して、自治体からの感謝の気持ちです。たくさんの税金を払うのでしたら、たくさんの寄付をして、特産品をいただきましょう。
    採用の基準
    ある大型の歯科医院の院長と、勤務医の採用の話をしました。
    その院長の採用基準は「変わった奴」
    面接をしたとき、ちょっとクセがあったり、ぎこちないくらいの人材を採用する。

    それこそ変わった基準なので、理由を聞くと。以前はできるだけ若くて、さわやかで、人柄のよさそうな人を選んでいた。ただ、そんな人は、それほど教えなくても勝手に仕事を覚えて、3年もしないうちにあっさり辞めていく。変わった人を雇うと、最初はとっつきにくいし教えるのも時間がかかるけど、結果として長く働いてくれることが多い。
      
    歯科医師はもともと独立開業を前提とした職業です。自分の医院を開業する、一国一城の主になるために、この職種を選んだ人がほとんど。だから仕事を覚えたら、やめて開業するのが当たり前。

    ただ中には開業すれば診療以外にやるべき仕事が苦手な人もいます。スタッフに仕事を教えること、ほめること、しかることは大変です。仕事を査定して給料や昇給を決める。求人をかけても集まらないこと。患者さんを集める労力。クレームの対応。
    こうしたことに時間とエネルギーをかけるのが苦痛の人。それより診療だけをしていたい。煩わしいことにエネルギーをさきたくない。
    人あたりのいい人は、そうしたこともこなしていくので、やがて独立していく。
    ちょっと変わった人の方が、診療以外やりたくない人材の可能性が高いので、この採用基準になった。勤務医が必要な医院は、診療以外をやりたくない人材を集められると、うまくいく。話を聞いて思わず納得しました。

    そうはいっても、みんな残る訳ではなく。最初は何もできなくて、患者さんと話すときでさえ、目も合わせられない勤務医。時間をかけて辛抱強く教えて、ようやく診療がこなせるように。すると自信がついたせいか、患者さんとも明るく話すようになりました。すると翌年、やはり開業することに。院長としては残念でもあり、成長を嬉しくも思う、複雑な心境だそうです。

    そんな話を聞くと、一人前になるまでに相当の労力をかけて育てているのがわかります。いま勤務医の先生は、いつか開業して辞めることは仕方ありません。ただ、それまで情熱をかけて教えてもらった院長に、感謝の念をもって退職することが大切です。